第百五十九話：バタリア教

バージョンアップで釣りの仕様が変更になった。この日はBati、Obsidian、Lupus、Chappieの4名がPM『誓いの雄たけび』のBCへ行くメンバーを募集していたので、それを手伝うために準備をしていた。Batiが少し遅れそうだ、との事だったので、その間変更になった釣りでもしようかという事になり、いつもChappieがヒマな時にいつも釣りをしているバタリアの北海岸に集まった。

ブブリム教ほどではないが金策としてChappieはいつもここで釣りをしていた。「何も釣れなかった」がすごく多くて眠くなる、といつもこぼしていた。今回の変更で「何も釣れなかった」が大幅に減った、と報告されていたし、釣り場の魚のリポップも早くなったとのことで、魚の枯れもマシになったみたいだ。

PMに行く為にBatiを待っているメンバーも、その他のヒマしているメンバーも続々とバタリアに集まってきた。かなりアクション性が強くなっているらしく、下手だと糸がプツプツ切れるので高い擬似餌はもったいない。ウィンダス倉庫でゴカイを大量に買い込み、バタリアへ向かった。

ブブリム教の名残の複合竿にゴカイをつけて、いざ！！！

なんと、魚がかかったら戦闘音楽が流れるではないか！そして左のスティックを竿と反対の方向に倒すことで魚の体力が減って行く。同じほうに倒してしまうと回復されてしまう。これがなかなか難しい！！長く体力を減らせないでいると逃げられてしまうし、体力を０にできてもスキルによっては逃げられてしまう。

魚がヒットすると同時に「なんとなく釣れそうだ」とか「イヤな予感がする」とかメッセージが流れる。スキルに応じてこの予感は的中するらしい。チョロのスキルは５３。バタリアにおいてそれが高いのか低いのかはわからないが、同じメッセージなのに敵だったり魚だったりしたからあまり的中していない感じだった。


バタリアではイエローグローブやタイガーコッド等の魚が釣れ、外道はクラゲと錆びた鉄鉾、ミスリルソードなどが釣れる。錆びた鉄鉾・・・ブブリム教で「大当たり」ともてはやされたあのアイテムである。ブブリム教がなくなった原因の修正で店売り価格が変更されたのは帽子だけなので、このアイテムは磨けば儲かるアイテムとしてまだ健在なのだ。ミスリルソードも店売りで４０００を超えるアイテムだし、クラゲも合成で水銀にできる。「何も釣れなかった」が減って、おまけに釣っている最中も楽しいし、新しいお金儲けとして使えそうじゃない？と元ブブリム教メンバーは張り切っていた。

スキルもかなりあがりやすくなっているみたいで、スキル20台のBobuっちは「タイガーコッド釣れるたびにスキルあがる！」と喜んでいた。
みんなが「もうアイテム持てない〜」とか「誰かクリ持ってない？」とかワイワイやっている横で、鉾が釣れたら当たり前のように光クリで磨き、クラゲを当然の顔で水銀に合成しているChappieの姿があった。持参アイテムにぬかりなし！一人で孤独に釣り続けてきたバタリア教祖のオーラがまぶしかった。

アライアンスを組んでワイワイ釣りをしているとブブリム教を思い出した。オマケに今回は他人の釣れたものが見えるようになったので、それもまた楽しい。みんながブブリム教を愛し楽しかったのは、やっぱり金策だけが原因じゃなかったんだな、と実感した。

ぼ〜っと用事をしながら釣る事はできなくなってしまったけど、チョロはこの釣りはとても楽しいな、と思った。これだと問題になっている寝釣りも難しいように見える。前に釣り吉の友達のRaiyuが言っていた言葉を思い出した。

「寝釣りがなくなると釣り場に会話が戻ってうれしい」

隣で大物がかかっても誰も何もしゃべらない釣り場より、「釣れてますか〜？」と会話が弾むほうが楽しいに決まってる！ウィンダスの港に無言で群がっているなぜか全員アノンの釣り服軍団も、これで数が減るのかな？

マネキンに着せていた釣りAFをもう一度引っ張り出そう、と思いながら、今日のチョロ・ログアウト。